もののふチゲん

ペットボトルのコーラ

小学生の頃、コンビニの前で友人とジュースを飲んでいた。
500mlのペットボトルのコーラ。

当時、そのコンビニの横にはイスとテーブルが3セット置いてあり、オープンカフェのようになっていた。といってもそんな洒落た物ではない。その一番手前の席で友人とジュースを飲んでいた。

一番奥の席にはその界隈で有名なホームレスのお婆ちゃんが座っている。
たくさんの荷物を周りに置いて、たくさんのボロ布を身にまとい、何をするわけでもなくただ座っていた。

好奇心旺盛な小学生にそのシチュエーションはたまらないものだった。恐いもの見たさだろうか。何かが起きそうな、何かを起こしたい、そんな感じである。
今思えばなんとも失礼な話である。

膠着状態が続いた後に、ひとつの案を思いつく。
その事を友人に告げ、実行に移した。

私はコーラを1/3程度飲み残し、テーブルの上に置いたままその場を立ち去った。
信号を渡り50メートルほど離れた場所で、私達はコーラの様子をうかがった。

5分たってもまだ変化はない。失敗に終わったか。
そう思った時だった。
さっきまで身動きひとつしなかったホームレスのお婆ちゃんが立ち上がったのだ。
ついにきた。

お婆ちゃんはおもむろにコーラに近づく。
コーラを手にとり、飲んだ。

コーラを飲んだ。

最初は半信半疑だった。まさか現実のものになるなんて。
わずかな感動の後に、恐怖感と罪悪感で寒気がした。
お婆ちゃんと間接キスをした。

私は小心者だ。
自分からやっといてビビるなんて。

この件は記憶力の悪い私の脳裏にしっかりと刻まれる出来事となりました。
今さらながら、ホームレスのお婆ちゃんごめんなさい。
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by chigen | 2008-04-17 05:19 | 自我 | Comments(1)
Commented by sasurai_johnny at 2008-05-01 19:02
同じ年ぐらいになったときにもう一度思い返してみるべきかな
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