もののふチゲん

カテゴリ:自我( 103 )

時計の誤差

どうして、あんなしょーもない嘘をついたんだろう。

まだ低学年の頃、友達と腕時計のことで言い争いをしていた。
お互いの時計に数分の誤差があったためだ。

その言い争いをそいつの兄貴が中立の立場で聞いていた。
そう、ジャッチメン。

その友達はこう言った。
『俺は「いいとも」を見ながらTV画面に出ていた時計で合わせた。だから間違ってない』
兄、うなづく。

最初に言っておくが、私の時計の方がずれていたのだ。まず間違いないだろう。
でも、このまま引き下がるのは悔しかった。認めたくなかった。
今だったらそんな些細な事、気にもとめないのに。

そして私はこう言った。
『俺は電話で時報を聞いて合わせたんだよ』
相手がTVならこっちは時報だ。というか、それしか浮かばなかった。

そいつの兄はすこし考えた後に言った。
『それなら時報の方が正しいと思うよ』
勝負は決した。

勝った。嘘をついて勝った。

兄は極めて中立だった。
しかし今考えれば、TVと時報に数分の誤差がある事は問題である。
明らかにどちらかが嘘をついているのは明白だ。

はいそうです。私が嘘をついております。
つまらない意地のため、しょーもない嘘をついております。
すいません。

果たして2人は気付いていたのだろうか。
あの時の悔しそうな友人の顔が忘れられない。
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by chigen | 2008-04-19 05:18 | 自我 | Comments(1)

小心者

人通りの少ない夜道を歩いていると、いつも思うんです。

前方に女性が歩いていると中々追い抜けません。
あえて適度な距離を保とうとします。
無理に追い抜こうとすると恐がられてしまうし、かといって歩くのが遅い人だとこっちが不自然になってしまう。ここが難しい。

夜道の女の一人歩き。そりゃ恐いのは分かります。
こっちもわりとデカイ図体してますもんで、なおさらでしょう。
ものすごく警戒されてるなぁと感じる事もあります。何度も振り返られたり。
でもね。でも、じゃーどうしたらいいんでしょう。
わからん。

気にしなきゃいいんでしょうか。普通はこんな事気にしないんでしょうか。

以前、追い抜いた時に『キャッ』と軽く悲鳴を上げられました。
そのせいで気になるようになったんだと思います。
その時も別に何もしてないんですよ。
家路に向かって歩いていただけなのに。

それからはこの適度な距離を保つ。
もしくはあえて足音を大きく出す、ようにしています。
俺は小心者だ。
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by chigen | 2008-04-18 04:19 | 自我 | Comments(1)

ペットボトルのコーラ

小学生の頃、コンビニの前で友人とジュースを飲んでいた。
500mlのペットボトルのコーラ。

当時、そのコンビニの横にはイスとテーブルが3セット置いてあり、オープンカフェのようになっていた。といってもそんな洒落た物ではない。その一番手前の席で友人とジュースを飲んでいた。

一番奥の席にはその界隈で有名なホームレスのお婆ちゃんが座っている。
たくさんの荷物を周りに置いて、たくさんのボロ布を身にまとい、何をするわけでもなくただ座っていた。

好奇心旺盛な小学生にそのシチュエーションはたまらないものだった。恐いもの見たさだろうか。何かが起きそうな、何かを起こしたい、そんな感じである。
今思えばなんとも失礼な話である。

膠着状態が続いた後に、ひとつの案を思いつく。
その事を友人に告げ、実行に移した。

私はコーラを1/3程度飲み残し、テーブルの上に置いたままその場を立ち去った。
信号を渡り50メートルほど離れた場所で、私達はコーラの様子をうかがった。

5分たってもまだ変化はない。失敗に終わったか。
そう思った時だった。
さっきまで身動きひとつしなかったホームレスのお婆ちゃんが立ち上がったのだ。
ついにきた。

お婆ちゃんはおもむろにコーラに近づく。
コーラを手にとり、飲んだ。

コーラを飲んだ。

最初は半信半疑だった。まさか現実のものになるなんて。
わずかな感動の後に、恐怖感と罪悪感で寒気がした。
お婆ちゃんと間接キスをした。

私は小心者だ。
自分からやっといてビビるなんて。

この件は記憶力の悪い私の脳裏にしっかりと刻まれる出来事となりました。
今さらながら、ホームレスのお婆ちゃんごめんなさい。
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by chigen | 2008-04-17 05:19 | 自我 | Comments(1)



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