時計の誤差
どうして、あんなしょーもない嘘をついたんだろう。
まだ低学年の頃、友達と腕時計のことで言い争いをしていた。 お互いの時計に数分の誤差があったためだ。 その言い争いをそいつの兄貴が中立の立場で聞いていた。 そう、ジャッチメン。 その友達はこう言った。 『俺は「いいとも」を見ながらTV画面に出ていた時計で合わせた。だから間違ってない』 兄、うなづく。 最初に言っておくが、私の時計の方がずれていたのだ。まず間違いないだろう。 でも、このまま引き下がるのは悔しかった。認めたくなかった。 今だったらそんな些細な事、気にもとめないのに。 そして私はこう言った。 『俺は電話で時報を聞いて合わせたんだよ』 相手がTVならこっちは時報だ。というか、それしか浮かばなかった。 そいつの兄はすこし考えた後に言った。 『それなら時報の方が正しいと思うよ』 勝負は決した。 勝った。嘘をついて勝った。 兄は極めて中立だった。 しかし今考えれば、TVと時報に数分の誤差がある事は問題である。 明らかにどちらかが嘘をついているのは明白だ。 はいそうです。私が嘘をついております。 つまらない意地のため、しょーもない嘘をついております。 すいません。 果たして2人は気付いていたのだろうか。 あの時の悔しそうな友人の顔が忘れられない。
by chigen
| 2008-04-19 05:18
| 自我
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